桜家のうなぎ

「三島は東海道の宿場だけのことはありますね~。町に活気がある。」関東鳶職連合会の慰霊伊勢参拝の帰りに一人で三島に立ち寄ってくれた寺本さんが言った。平日の昼間でも、桜家の前には行列ができている。「ここは特別なんですよ。不景気風が吹いていたときも、ここだけばいつも人が並んでましたからね。」

店内はバリアフリーではない。トイレに行く女性が、壁に手を突きながら階段を下りているが、誰ぞが付添うでもなく一歩ずつ自分のペースで歩いている。磨きこんだ急な階段はツルツル滑るのに、2階席へも文句ひとつ言わずに上がっていく。不思議な店だ。ランチタイムサービスなんていうものはなく、昼でも夜でも一律にうなぎの枚数で値段が決められていて、高いと量が多い。一人前4000円近くするお昼ご飯を食べに来ているのに、店内はお客さんの出入りが頻繁で常にガヤガヤしているし、仲居さんもバタバタしている。普通に考えれば、4000円も5000円もする食事をしに来てるのに、なんて愛想無しなんだろう!?と思うかもしれない。が…、

「これは並んでも食べに来た甲斐があったと思えるわ。」うな重を一口食べた叔母が言った。伯母は三島生まれで旧東海道沿いの清水町に住んでいるが、桜家に来たのは2度目。広小路駅の踏切を待っていたときに偶然(私の)母に会い、一緒に食べていきなさいと引き込まれた時と昨日。「踏切近くに漂う、うなぎを焼く煙と匂いだけで私は充分」と言っていたのに、お重の前に運ばれてきた「うざく」という白焼き鰻とキュウリの酢の物と、「鰻の肝の時雨煮」を食べて、既に感激しきりだった。

お店で鰻を食べたのはとても久しぶり。スーパーの鰻を美味しく食べる方法もあるけれど、やっぱり全然違うなと思った。媚びなくても、貫き通すものが確かなら、わかる人には通じるということを、細長い店の熱い空気の中に見た気がした。何でもかんでも、人にやさしくあればいいとは限らない。

沼津日本酒フェス2015

8月9日に沼津て゛開催された「日本酒フェス」。27の蔵元さん149種類の日本酒、渡辺ハム工房・山二園の水出し緑茶・大久保農園のトマト、ベアードビールが飲み放題。チケットと引き換えにお猪口を渡してくれて、2時間試飲しまくる!!  今年、若い人と女性がとても多かった気がする。蔵元さんが、自分のお酒に合うおつまみを持ってきてくれていて、それがまた楽しみ。

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富士登山の翌日であり、富士山ではご飯も食べられなかったわけだし、ここで日本酒はキツイけど・・・仕方ない、一緒に参加する仲間も同じ条件。どのくらい飲んで食べたのか、帰ってきたらベッドに倒れて動けない!!! 一番最初に飲んだ梅乃宿酒造㈱の「クールゆず」が、ゆずの香りが強烈に爽やかでメチャメチャ美味しかったな。ここには、静岡県限定で作っているみかんのお酒もある。・・・と思ってホームページを見たら「フルータス」という日本酒ベースのお酒が2種類もあるじゃないですか!? うわぁ~、おいしそう。飲みたい!!  お酒を一緒に飲む相手がいればいいのですが、一人では「飲みたい」という気持ちがあっても実現しないので。だから「日本酒フェス」的なイベントがあると嬉しいんだね。

黄金柑の美味しい食べ方

黄金柑(おうごんかん) の季節になりました!!  沼津市西浦の真野農園さんによれば、沼津(静岡県/駿河湾側)では「黄金柑」と呼んでいますが、湯河原(神奈川県/相模湾側)では「ゴールデンオレンジ」と呼んでいます。種類は同じ。伊豆半島を挟んで西と東で名前が違うのは面白いですね。初めてゴールデンオレンジを食べたのは、小田原から真鶴への旧道沿いのミカン屋さん。ジューシーさと甘さの虜になりましたが、次に買いに行ったときにはもう売っていませんでした。真鶴でしか作っていない希少なミカンだ(作っている農家が限られていて珍しいという意味で収穫量が少なくて貴重)と聞いていたので、時期を逃すと食べられないんだな~と思っていたのです。

4~5年前から、こちら側(駿河湾側)でも作る農家さんが増えたらしくて、「黄金柑」が三島近辺のお店に並ぶようになりました。仲良くしている真野さんのミカンはどれもおいしいのですが、黄金柑は特に美味しい。収穫してから寝かせて出荷をするそうなので、寝かせる期間の見極めが大事なのではないだろうかと、私は思います。そして、皮の薄さ。真野さんの黄金柑は皮が薄い!! ので、普通に温州ミカンを食べるように皮を剥いて食べてもいいですが、皮が厚めの場合もあります。

ですからおススメは、4つに切って、ジューシーさを「目」で感じてから1/4分を丸ごと(白い袋も食べちゃいます) 口の中に入れちゃってください。そうすると、果汁が口の中に一気に入りますから、ちょっと早い春の香りと甘さが喉の奥にも広がります。

私はほぼ一年中、いろんな種類のミカンを食べているのです。伊豆半島の根元にいるおかげですね。若さと美貌を保つには、毎日ミカンを食べましょう!! なんて言えたらいいんですけど(笑)

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笹かまをなめんなよ~!

14日。仙台駅までは、涌澤(若鳶)会長の車で小澤さんが運転して送ってくれた。仙台駅でお土産にと「白謙」の笹かま詰め合わせを買ってくれたんだけど・・・。正直に話すと、私は笹かまなんて(笑) お土産に買って帰りたいとか思っていなかったので、「こんな大きい箱じゃなくてもいいですよぉ~」と心の中で言ってた。だって、小田原の蒲鉾も有名だけど、おでんの具に使うくらいしか買わないし。三島のスーパーにも「笹かま」が売っているけれど、買って食べようとは思わないもの。

ところが15日朝、とりあえず朝ごはんのおかずに箱を開けて、いろんな種類の中から小さいものを選んで(笑) 「紅しょうが」という袋のを食べてみた。袋から出した時点で、フワッとした指の間隔にビックリ! 一口食べて、「なにこれ~!?」塩加減ほどよく、食感柔らかく食べやすく、何個でも食べられる!!!  あの感激は、ホント 私の食歴の転換点みたいな。って、ものすご~くオーバーに書いているようだけど、ほんとにほんとに、あれから私は毎日続けて白謙のかまぼこを食べてる。いわゆる笹かまもふんわり食感で今までのイメージを良い意味で裏切ってくれちゃったけど、「白謙揚げ」野菜入りとミニサイズは、お茶飲みながらいつでも食べられるって感じなの。小腹がすいたら石巻の白謙揚げ!! (笑) これから仙台に行く計画がある友達には、絶対おすすめ★しちゃう。

この美味しい石巻白謙かまぼこを教えてくれた涌澤さんからは、「笹かま、なめんなよ~!」とお叱りを頂戴。なめてましたね~。期待していなかったもの。仙台に行く機会があまりない人間には、笹かまはどれも同じという意識なのですが、そうではないと教えてくれて、ありがとうございました。

栗ごはんのケチャップ効果

8月末から、庭で栗が収穫できるようになり、毎日栗ごはん。
飽きないか?飽きるとかの問題ではなく、採っても採ってもまだ落ちてくる。
手っ取り早い食べ方が栗ごはんなだけ。
 
カレーライスも栗入りライス。ただし塩味はつけません。
昨日は、残ったその塩気無しの栗ごはんをオムライスにしたところ・・・
ケチャップで炒めた栗ご飯が、まるでチーズ入りご飯のように変身!
細かく刻んだプロセスチーズを混ぜた味。
不思議な経験でした。
食感はボソボソとしていて「このチーズ、古い?」って感じだけど。
 
ケチャップ味の栗を利用する新しいおかずでも考えてみる・・・かな?
 
 

グリンピースのボヌ・ファム

韮高メルマガの食育コラム担当の千葉さんから、
「グリーンピースのボヌ・ファム」のレシピが届いたので
昨日早速作ってみた。
帝国ホテルの故・村上料理長のレシピだ。
 
グリンピースって、飾りに使うか、豆ご飯に炊き込むことしか
使ったことがなかったけど、村上さんは「付け合せの女王」として扱って
いて(王様はジャガイモ)、ボヌ・ファムでは「主役」としてもいいと
書いていただけあって、グリンピース好きな私はレシピが届くのを楽しみにしていた。
 
レシピを聞いただけでは、「グリンピースとレタスのスープ?」という印象。
カラーコピーも同封してくれたので出来上がり写真を見たところ
「グリンピースの洋風煮物」に近い。
 
材料も作り方も簡単。
1㎝角に切ったタマネギとベーコンとグリンピースをひたひたの水で煮る。
味付けはバターと塩・コショウと、隠し味に砂糖少々。
豆が柔らかくなってタマネギが透明になってきたら、千切りにしたレタスを
加えて煮る。
 
これだけの味付けで、豆の甘みが引き出されて美味しい。
「砂糖入れるの?」と思っていたけれど、砂糖は豆の旨みを引き出す役割だと思う。
でもご飯のおかずとして主役に扱うなら、顆粒のコンソメを少しだけパラパラと
振りかけて味をつけた方が万人受けするかも。
レタスは煮込んでもシャキシャキした歯ざわりは残るし、そのものの味が主張しないから
キャベツではなく絶対レタスだ。
 
残ったご飯に卵を混ぜてからテフロン加工のフライパンで油を使わずに炒め、
生のり(青海苔)を加えて春の色合いを出したものと、このボヌ・ファムだけで
昨日の夕食は大満足。
グリンピースをお替りしたくなるくらいおいしい☆
 
 

イルムリーノ 序奏 ちぃばすの話

六本木ヒルズのイルムリーノでお食事会。
その日はイースターの4月8日。
日曜の朝早起きして、青春18切符で東海道線の車窓から桜を眺めながら鎌倉に行き
パレード開始前に紅茶とスコーンで朝食、鎌倉祭りの梯子を見物してから鯛めしの昼食、
再び東海道線で品川、田町駅からちぃばすに乗って六本木ヒルズ けやき坂。
 
田町駅は懐かしい。大学生のころ、ハセコー(その当時は長谷川工務店といった)の
設計部でバイトをしていた。芸大の片柳君が創芸という銀座のデザイン会社絡みで
受けた仕事で、最初は模型を作るだけだったのに図面描かせてもらったりした。
いまでいうハケンのお仕事なんだけど、フロアの一部分を芸大生とムサビ生が
占拠していた。男子よりも女子の方が好まれたので、女子は社員のアシスタント
的仕事、男子は一箇所に集まって模型作りをしていた。
お昼は社員食堂で食べて、夜はこのあたり(ちぃばすが通る現在は高層団地の
あたりの裏道)をワイワイいいながら社員のひとたちと騒いで帰った。
なにか一つの仕事が終わると、谷岡課長が「行くぞ~!」といって隣の課や設備課の
人たちまで一緒に社員食堂でビールを飲む。それから一斉にエレベーターを下りて
田町周辺で飲み歩く。片柳君は男だから少しだけお金を徴収されたけど、私と
マッチャンは特別扱いでいつも「ご馳走様~!」といって田町駅のホームで手を振る。
田町から高田馬場へ出て西武線に乗り換えて帰るのは私だけ。
当時は飲酒運転なんか全然平気だったから、寮住まいの独身男性二人が
帰ってもどうせ暇だからといい私の家までドライブしてくれた。
日曜日も彼らと一緒にテニスしたりスキーに行ったり。
そうそう、山田さんのRX-7は3人乗ると後部座席がすごく狭くて、久我さんはいつも
モンク言ってた。久我さんのスカイラインの助手席には男は絶対乗せないとか(笑)。
ちぃばすの窓から見える整然と変化した田町駅周辺の景色の中に、だぶるように
学生時代のわたしたちの笑い顔が見えた気がした。
 
 

透視されてもいい?

誕生日は、新しい一年の始まり。
意識をしないと、毎日は同じように過ぎていく。
多少波の大小はあっても。
 
遠くから見て存在だけは知っていた人と、偶然近くに居合わせた。
通勤電車で毎朝同じ時刻・車両・座席付近に必ず居る人のような存在だ。
居ないと落ち着かないし、だからといってどんな人が名前も声も知らない。
 
相手が私の存在を認識しているかどうかもわからないのだが、「誕生日」という
特別な日が弾みをつけさせた。
「こんばんは!」
 
ガソリンスタンドの新人バイト青年に話しかけるのとは違い、自分より年上の
物静かな紳士との会話は緊張する。まして素性も何も知らないわけだ。
「ときどきお見かけしていました」
最初は「そうですか?」という紳士だったが、二言三言話しているうち
意外にも彼は私の行動を記憶しているのだと気がついた。
そう思われないようそっけない素振りを見せていた。
環境の話から、水や空気の話、タバコ・嗅覚・味覚、挙句ファッションセンスについて。
何話しているんだか、飛び飛びに色々な話をした。
とてもお洒落で、近くで見たらパリッと糊がきいてアイロンの線が入ったシャツを着て、
「お恥ずかしい話ですが、洗濯は全てクリーニングに出すのです。
下着以外は全部ですね。仕事柄いろいろな人とお会いするものですから、
きちんとした身なりでいないと・・・と思うんですね。」
『私も服装には気を遣います。
東京で働いていたときに、お客様と打ち合わせに出たりしたのですが
そのお客様がお金持ちでいらして(笑)。高いものではなくても、自分に似合う
きちんとした服装でないと見透かされてしまう。第一印象で決まりますから。
よい経験をさせていただきましたね。』
「初めてお話するのに失礼だと思いますが、恐らくもって生まれたものでしょう。
持って生まれたセンスがあり、ご両親に厳しく育てられたのだろうと想像します。
アナタの話し方やしぐさを見ていればわかります。」
どんな服をどんな風に着こなせるか?ユニクロのTシャツも安物に見えない、
そんな着方が出来る人は、自分自身をきちんと知っている。
けれどそんな人は滅多にいないという。
 
「いい女というのはね、自分がそうだと主張しなくても回りがそう見てくれているものですよ。」
『え~?実は今日、私の誕生日なのです。
つい先ほど昔の上司から、"いい女になれたかい?"とメールが来たところなんです。
その当時、私はその会社の新入社員募集用パンフレットに載ったのですが
その中で "いいオンナになりたい"と言っていたのを、覚えてくださっていて。
まさか、初めてお話しする方からその言葉が出てくるとは思いませんでした。
誕生日に、いい女になれたかどうか自問自答しているところなんです。』
「充分いい女ですよ。でもますますキラキラ輝いていけますね。」
 
なんか、神様からのプレゼントをもらったような、紳士が神父さんに見えた瞬間。
どういうこと?
携帯にきていたメールを透視されたのかな?そんなはずないよねぇ。
短い時間だったけれど、とても長い時間話をしたような。
けれど狐につままれたような不思議な時間。
神様がくれたプレゼントなんだと思う。(ことにしよう)
 
 
 
 
 
 
 

成分分析

ルナさんのブログで見つけたの。
 
私の成分分析をしてみたら・・・
59%電力 20%利益 9%心の壁 6%ミスリル 6%気の迷い
で構成されているらしい (オカシ~!)
家族の名前を分析したら、超面白くて、PCの前で一人で笑いが止まらない。
涙出てきた~。
とくに、パパったら「90%純金」ですよ。
 
 

あわせ味噌

「あわせ味噌って知っていますか?
 知ってますよね~
 食生活の違いってどうしても埋まられないと思うんです!!
 だからあわせ味噌を作るんですよ。
 それぞれのお袋の味をそれぞれ合わせたものが
 初めて一つのものになるんです。
 これってすばらしいことですよね。
 お互いを尊敬し合っている証拠です。」
 
スキヤキのブログを読んだ伊藤さんからきたメール。
 
あわせ味噌って、「白味噌と赤味噌」とか「信州味噌と仙台味噌」
とかいう合わせ方かと思ってた。
そういえば、お味噌って各家で作るものなんだった。
秋田から届く味噌は秋田の方言が聞こえてきそうな素朴な味、
九州から送られてくる麦味噌は甘い。
そこの地方、その家の伝統の味があるんだね~。
 
言われてみればナルホド、ということなんだけど
言われるまですっかり忘れていたっていうこと、ある。
 
なにげなく書いたことなのに、反応してもらえると
勉強になるな~って思った。
そして私は、イモウトから学ぶべきことが沢山あって楽しくなるし。
 
あ~、もしかして・・・私が結婚しなかったのはこれかなぁ~?
「おせち料理作ったことないし、こんなことも知らないのかと
言われちゃったらどうしよう?」
難しく考えなければよかったのにねぇ。
「だって私、作ったことないもん!」
この一言が、ど~しても出てこない性格!
合わせ味噌の発想があれば・・・結婚してたかなぁ?
(多分、それだけの問題じゃないと思うけど)